蔵の街クリニック
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カルテ③ 「自前」の感覚  「自前」の行動

 東京の病院へ行く、ということ。先日こんな患者さんがいらした。
甲状腺は東京のA病院、肝臓は東京のB大学病院に通っているが、コレステロールが心配なので診てくれないかというのである。
一口にコレステロールと言ってもその上がり下がりにはさまざまな臓器の影響がある。
例えば甲状腺機能低下症ではコレステロールは上がり肝機能が悪ければ下がる。
しかしそれだけでもない。だから血液中のコレステロールを測って「高いから薬を飲みなさい」「低いから肝臓が悪いですよ!」というふうに事態はそれほど簡単ではない。
「今、通っている病院でコレステロールのことを訴えてはいかがか」というと専門が違うとおっしゃる。
「それも理屈だ!」といって
ここでコレステロールを測ってその原因を探ろうとすると、通院中の病院で既に調べているであろうことまで、もう一度調べるか、問い合わせる必要が出てくる。
そうするよりも「あなたがどちらかの病院でコレステロールはどうでしょうか?」と聞く方がいいのではなかろうか
とお勧め申し上げた。

確かに、栃木から東京の病院へ行く必要のある場合もある。
例えば、特別な手術や治療が必要なときだ。

そのための技術や設備が、東京の病院以外にないとなれば、上京せざるを得ない。
もちろん、現在の保険制度では日本全国どこの医療機関にかかろうが制度上の問題はない。
しかし、県内にそうした技術や設備があり、東京の病院へ行く必要は無いのに、
何となく東京の方が信用できるから行く、となるとそれは問題だ。地元では信用がなく、東京なら信用がある。
そうした感覚や行動は、東京一極集中を批判しながら、実は東京を頼るという矛盾にほかならない。
しかもその矛盾は、東京をますます肥大化させても、栃木には何も生み出さない。交通の発達により「東京」がより身近になった、栃木のような地方都市の住民が、こうした問題を考えることは重要だ。
そこに、明日の栃木、住みよい栃木を築くきっかけがあると思うからだ。
以下次号。